2010年09月07日

バカセはここにもきているよ!

最近、休みの日は護国寺にある筑波大学附属視覚特別支援学校の資料室にいってます。

ここにはふるい点字の資料があって、それを写真撮影させてもらうのと、あと視覚特別支援学校の卒業生の方に点字から墨字への翻字をおねがいしてます。

これに科研費が当たったんで。よかったー。ほんとうにありがたいです。
撮影風景はこんなかんじで。

デジカメと複写台

デジカメはすごい色のがとどいてしまってびっくりしてます。
(ものめずらしさでこの色にしたのだけど後悔してます)
複写台はものすごい使える。そもそもカメラはシャッターが右側にしかついてないので。カメラを固定できる複写台ほんとに助かってます。


で、今日から翻字作業をおねがいしたのですが。
私は調査の都合上、翻字のみでおねがいしてます。
だけど、はじめるとき
「わかちがきをくっつけて漢字かなまじり文にしますか?」
ってきかれて。
「いえっ。もう、いっさい加工しないでそのまんまでおねがいします」
っていったら、一緒にいたせんせえが、
「あらー、それじゃあ楽ねえ。(漢字仮名交じり文に加工しなくていいなんて)申し訳ないみたい」
って冗談交じりでいって。
ちょっとそれがショックでした。
本来なら、申し訳ないっていわなきゃなんないのは、「漢字かなまじり文にしろ」なんて要求する側なんですから。

この筑波の視覚特別支援学校の資料室は特別に資料室員さんがいるわけではなく、教科をもったせんせえがそのかたわらで管理しているわけで。
きほん、研究者が調査しにいくのなんか、せんせえの仕事のじゃまをしにいくのとほとんど一緒ですね。
それなのに、すごくよくしていただいて本当に助かります。

で、よくまあ、研究者がこの資料室に行ってるらしいです。
わりとコンスタントに調査の人がくるみたいです。
なにしろ、明治・大正期ごろのまとまった点字資料がそろってるので。
私以外にも科研費の調査があったようだし、それ以外にもいつでも古い資料の点字から墨字への翻字作業がおこなわれているようです。

で、今日、資料室のせんせえに
「みんなここの資料の写真とっていっちゃうんだよね」
っていわれました。
こうやってさんざん資料をあさり散らかして、自分の業績にして。
それで終わり。なんですよね。

なんか、だから、今日はちょっとショックだったんですよ。

さんざんっぱら資料を使いたおして、翻字作業を安いアルバイト代でおねがいして、それで成果物を吸い上げて自分の研究業績にしておいて。

「漢字かなまじり文に加工しなくていいなんて申し訳ないみたい」
なんて。
そんなこといわせておくなんて。
調査に協力してくれたひとたちに、なにも返せないなんて。

「漢字かなまじりじゃないとダメ」で、翻字作業は点字つかってる人におしつけて。それがどんなにしちめんどうくさくて、ものすごい高度な技術なのかにきづかないで。
あたりまえのように「漢字かなまじりにして」って。要求して。
「漢字かなまじり文にしなくていいなんて、もうしわけない」って、そんなことまでいわせておくなんて。


だからね。
この資料室にも、おびただしい数のバカセがやってきて、
資料をあさりちらかして、かえっていきます。

もちろん、自分(なかのまき)もふくめて。


参照

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調査されるという迷惑

序章 宮本常一先生にいただいた言葉 第一章 調査地被害―される側のさまざまな迷惑 第二章 される側の声―聞き書き・調査地被害 第三章 「バカセなら毎年何十人もくるぞ」 第四章 フィールドでの「濃いかかわり」とその落とし穴 第五章 種子島にて・屋久島からの手紙 第六章 まぼろしの物々交換を知夫里島に求めて 第七章 「研究成果の還元」はどこまで可能か
posted by なかのまき at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記