2009年12月02日

えんぴつは無罪です。

10月29日にもらったコメント

>左手用はさみ・包丁のように、文具を改善したら少しは便利でしょうか。



文具も、万年筆とかは右手に書きやすいように調整してあるらしく(左手利きように万年筆を調整してくれるサービスもあるようです) 工夫の余地はあるとおもいます。


こうかいてしまったのですが、
誤解を招きそうな書き方なので、訂正します。


左手書字については、
えんぴつも、ボールペンも、問題ありません。
まったくもんだいありません。
左手でも右手でも字がかけるし絵もかけるしまわして遊べるし。
安いし、つかうのに面倒くさい準備もいらないし、特に大変なメンテナンスもいりません。


むしろ「左手で書くには"字"に問題がある」と認めたくない人が大好きな、
「パソコンで書けばいいじゃない」ですが。

パソコンのキーボードの、いちばんよくつかうエンターキーは右側にしかついてませんけどね。
鉛筆やボールペンにくらべると
むしろ、パソコンの方が左手効きに優しくない道具だ、って言っちゃっていいでしょう。

左手書字にかぎって言えば。
えんぴつやボールペンにはなんの問題もありません。
現時点で文具として問題が多いのはむしろパソコンです。

そして、左手書字がだめなのは、文具じゃなく。
字です。
だめなのは字です。

あ、毛筆はだめだな。
でも、これも毛筆じゃなくて字がだめだからです。
だいたい、左手利き用の毛筆(押しがきができる毛筆)って、
私の貧困な想像力をもって考えるに
なんかすでに毛筆じゃない気がする。


あと、万年筆もだめ(らしい?)のですが、
べつに万年筆は文具としてはひまなおっさんのおもちゃくらいの位置なので、
まあいいんじゃないですかね。
あと、左手書字用に調整もできるみたいなので。

なんだろうな。

左手利きの私が、ふつうのはさみで紙がきりにくかったら、
「これは右手専用の道具だ! 私が切れないのははさみのせいだ!」
って言っても「そうだね」って納得できても、
「これは右手専用の道具だ! 私が字が書きにくいのは字のせいだ!」
って納得しにくい心情があるのでしょう。
字には、それだけ特別なものがあるように思っている人はおおいんでしょう。
なので、責任を文具にシフトしたくなるのかもしれませんが。

やっぱ、どう考えても、えんぴつは無罪です。

えーと。
字への思い入れや、書道への思い入れがあって、書道や字への批判が耐えられない方(たとえ根拠があるものであっても悪くかかれていたらとにかくいや)にとっては、とても不快な記事が続くとおもいます。

このブログかくにあたってずっとかんがえていて、
いまも結論でてないけど、
ある作品について、批判をすると
「そんなに悪口をかくあなたの人格はゆがんでいる」
みたいにいわれるだろうなあ。と。
それはある程度あきらめなければいけないのかもしれないけれど。

いちおう言っておこうかな。

このブログは、書道やってるひとや、右手書字をやってる人への個人攻撃を意図してません。

「右手で字を書くやつは悪いやつだ」とか「書道なんかやってるやつは悪いやつだ」とか、そんなことはいってませんので、


私の記事で見当違いに傷つかないでください。
私の意図しないところで不機嫌にならないでいただけると助かります。

ただ、

(1)左手で字をかくのは大変だ
(2)書道教育(というか日本語教育や国語教育もふくんだ書字教育にかかわる分野全体)は左手で字をかくことについてあんまりちゃんと考えてない

この2点だけ、知っていてほしいんです。
とりあえず、知ってるだけでもいいです。


階段が、足を使って移動する人の都合しか考えていない

ってことを知っていれば、階段があるところにかならず、エレベーターが必要だ。
と当たり前に考えられるんですから。
そうしたら、階段のあるところにかならずエレベーターがあるというわけではないという社会の実情を問題視することができるんです。

おなじように、

字と字を教えるための教育が、右手で書く人の都合しか考えていない
っていうことを知っていてほしいです。そんだけです。


ちょっと話はずれますけど、

私の友達が、写真をやっていて写真展で入選したんです。
それで、彼女の写真が飾られたんです。
で、彼女には車いすで移動する友達がいます。
彼女は、車いすの友達を写真展に誘いました。
写真展に行くには電車にのらなければいけません。
その駅には、エレベーターがありませんでした。
駅員さんをインターホンで呼んで「助けてくれ」といったのに
誰もきませんでした。
車いすの友達は、
「もういいよ、帰ろう」
って言いました。
「いやだ、私の作品をおまえにも見せたい。おまえも見たいだろう?」
っていって、彼女は友達をかついでホームに行きました。
それから、車いすをもってもういちど階段を上りました。
それで、二人で写真展にいきました。


(あ、これ念のために言いますけど、
美談じゃないです。
『しょうがいしゃを助ける友達思いの女の子』という美談に仕立てないでください。
これは、車いすの人の都合を全く考えていない××駅ふざけんな、って話です)


そのはなしを、私はあとで彼女からききました。
彼女はぷんぷん怒っていました。
「なんでエレベーターがない! なんで駅員が助けに来ない!」
で、私も「ひどい」とおもって怒りました。ぷんぷん。
(私が高校生の時の話なので、10年以上前です。あと、駅員だけじゃなくて、まわりの人もたすけてくれてもよかったのに。高校生の女の子が、友達と、車いすをかついだんだから)

で、この話を

「鉄道システムそのものが悪い」とか「××駅を使う人が悪い」と悪口いっているように曲解しないでください、ってことです。

駅に、エレベーターないから、そしてエレベーターないのにその代わりとなるものもないっていうことに怒ってるだけです。
鉄道や、××駅や、××駅の利用者や、ましてや××駅が大好きな鉄道マニアの人格を否定しているわけではないのです。
それなのに
「そんなに××駅の悪口をいうあなたの性格がゆがんでいる」
と言われたら、それはやりきれません。
がっかりします。

がっかりどころか「悪口をいうおまえが悪い」と言ってしまえば、そのまんま、××駅にはエレベーターが設置されることはないでしょう。

それでいいですか、ってことです。

「電車の駅にエレベーターないなら車で移動すればいいじゃない」

とか言うんですかね。
っていう、はなしです。




posted by なかのまき at 21:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 左手で字をかくこと
この記事へのコメント
左利きの人がどれくらいいるか気をつけて見てみたんですけど(某教室で)、
100人強のうち、10人くらいはいそうでした。
右利きよりは少ないけど、例えば、駅でエレベーター必要としてる人々より少ない比率とも思えませんよね?
何で需要ありそうなのに何の改善もされないんだろう、と思ったのですが、
考えてみると、なかのまきさんが「左利きだと字が書きにくい」と教えて下さるまで、
字(平仮名・漢字)は左利きには書きにくいつくりだ、という事に恥ずかしながら気づいていなかったんです…。
私と同じように無知な人が多いだけだったら、認知度があがれば少しは改善するかな?
Posted by Y selection at 2009年12月04日 22:48
Yさん、コメントありがとうございます。

左手利きの割合は、けっこう所属している社会によってかわるようで、左手利きタブーのある社会だと、やっぱ強制的に矯正されて減っちゃうようです。

あと、とある人に私の論文よんでもらったところ、「左手利きは字が書きにくいせいで成績悪いから大学生には少ない」とか言われてしまったこともあります。
(だから、大学生の利き手について調査したデータをとりあげた私の論文はダメ、という意見でした)

ひー。おそろしい。
あ、話がずれました。すみません。

字が、右手利きだけに都合のいいつくりになってる(結果として左手利きには書きにくくなるときもある)ということは、

私もたわむれに右手で字を書いてみるようになってはじめてわかったことなので、
右手利きの人が知らなくても、恥ずかしいことじゃないとおもいます。

でも、やっぱり右手利きの人にもわかってもらえると、
気がらくになります。

「印刷の年賀状に手書きの一筆が添えられてないと無礼」
とか
「字の汚い人間は社会的に信用されない」
とかそういう偏見は減ってくれるだろうと期待します。

あと、書道の人は確実にきづいているので、
きづいていながら放置していて、
それはまた別の問題で、
むしろこっち側をなんとかしないといけないとおもいます。
Posted by なかのまき at 2009年12月08日 11:37
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