2009年12月04日

横書き書字についての論文(1)

なかなか「とめはねっ!」にはいれないのですが、
論文を紹介します。

なんかむしろ、「とめはねっ!」よりも書道がどうして横書きについて何も言ってないのか、その方が気になってきました。

「とめはねっ!」なんかもう、
左手で字を書く人が一人も存在しなくて、万人が一目でわかる絶対的な「美しい字」というものが存在する、それでいて芸術毛筆書道がパソコンに脅かされているというちょっと不条理な、どっか私のしらない世界を舞台にしたファンタジーで、ボーイミーツガールで青春だあ!
ってことでいいんじゃないですか?放っておいて。
という気にもなってきてしまいました。
いやいや、でもNHKでドラマになるなら、これはちょっとやっぱり問題なので。
もう少し「とめはねっ!」についても書く予定でいます。

とにかく。

「横書き書字における平仮名の字形的損傷について」(『書写書道教育研究』第18号 pp.41-50 2004)

書道の人が横書きについてなんにも言ってないのはどうして?
と思ってたのですが。
そういう研究がないわけでもないので。
紹介します。

それにしても血湧き肉躍る題名ですね。
「横書き書字における字形的損傷について」

損傷!!
横書き書字をするとひらがなが損傷するらしいですよ。
ひらがなってこわれ物だったのか。

えっと、ひらがなが、もともと縦書きを前提につくられた文字だから、横書きにすると筆順や字形に変化があるだろうことは、これは
まあ、書道の素養のない私でも想像できるんです。
横書きと縦書きの字は違うだろう。と。
縦書きだったものを横書きにするなら、そうやって、字形は変化するだろう。

で、その「変化」が「損傷」なんですね。
ただ変わるんじゃない。
損傷するんです。横書きをすると、字形がそこなわれ、きずつくんです。

これは、ものすごく挑発的な題名ですね。
「横書きすると字が傷付くから縦書きでなきゃいかん!」
っていってますよね。
だから、中身もさぞや、とおもいつつ、
よみました。
で、「アレ?」
と。
これ、内容は題名ほど過激じゃない。
もっと、不機嫌におこってる論文なのかとおもったのですが、
そうじゃない。
というか、私がこのタイトルをよんで勝手に挑発されただけなんです。

「損傷」という言葉に特別のおもいいれはないようです。
だって、横書きすると字は損傷する、という前提でもう、論が始まっちゃうんです。
だから、ここで私は調子が狂っちゃったんです。あれ?って。

ちょっと引用します。
「はじめに」の章から

公用文書式の文字横組みをはじめとして、時流は明らかに横書き・横組み書式へと転換しているにも関わらず、そのことによって生じる「字形的損傷」について論究されることは少ない。換言すれば、その指摘や論究の希薄さが時流を生じさせた要因とも考えられる。
(p41)


いきなり、「字形的損傷」ってでてきちゃうんです。
で、もうどんどん、横書きと字形の損傷についての論がはじまってしまうんです。
横書きが蔓延したのは、字形的損傷を問題にしなかったからだ、という。

しかし、横書きにすると字形が損傷するかどうか、という検討がされないまま、「横書きにすれば字形に損傷がある」という前提で論をすすめてしまって大丈夫でしょうか。

つっこみますよ。わたしなら。


字形の「損傷」とはなんですか。
平仮名の字形って「損傷」するんですか。
というか、まず傷の付いていないまっさらな字形の基準はどこにあるんですか、その基準からどこがどれだけ逸脱したら「損傷」になるんですか、
そしてそれは本当に「損傷」なんですか。
なぜわざわざ「損傷」という評価づけをするんですか。
横書きにするにあたっての「合理化」という言葉じゃいけないんですか?


横書きに適応するために、てがき文字の字形がかわる、というのは私も納得できるんです。
でも、それが「損傷である」という前提で話がすすめられてしまうと、もうついていけなくなってしまう気になりますが。

がんばってついていきましょう。
とても興味のあることなので。
とりあえず、
横書きにすると字形は「損傷」する、という前提を受け入れることにします。
じゃないと読みすすめられないので。

さて、ではいよいよ「損傷」の内容にはいります。
縦書きから横書きにかわると、字形はどのように「損傷」されるのでしょうか。

……とおもったのだけど、書きつかれたので今日はこれで。
また後日つづきかきます。

posted by なかのまき at 23:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 書道教育
この記事へのコメント
そんなところで、やめますか〜
じらさないで はやくつづきお〜
Posted by prov at 2009年12月06日 22:42
provさん

つづきかきました〜。
でも おわってません。
つぎの更新でおわる予定。

「連係ストローク」っていう概念を説明するのがめちゃくちゃ面倒くさくて、いっそこの記事をけしちゃおうかとかおもってたのですが、
コメントもらって、げんきでました。

ありがとうございます。
Posted by なかのまき at 2009年12月08日 11:40
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/34015842

この記事へのトラックバック