2009年12月19日

書道に関係ないことでもかいてみる

小学校で、
「おじいちゃんとおばあちゃんに戦争の話をきいてみよう」
っていう宿題があって、

祖父は
「学校(大学)が休みになって工場で爆弾をつくってた」
とか
「結核にかかって死ぬはずだったのが終戦でいい薬がはいってきて助かったからおばあちゃんと結婚できた」
とか、そんな話をきかせてくれて、それはそれなりに面白かったです。
で、祖父母の語ったものの一つに、「イナゴを食べた」っていうのがあって。
で、それを授業中に先生にいったら、
「イナゴなんかいつでも食べてた!」
とばっさりやられて。
そんなもんかなあ。と思ってたのですが。

最近、知ったのですが。
どうも戦時中の食糧不足のおり、「虫(イナゴ)を食べよう」という運動があったらしいです。
あと、都会の子供が疎開先でイナゴをだされてびっくり、とかいうこともあったらしい。
そういうことおもうと、先生が
「イナゴなんかいつでも食べてた!」
と私の宿題を否定した、あれはまちがってたよなあ。
昆虫食は地域性のあるものだし、戦争のためにはじめてイナゴという食材にであった、という人だって、いるんですね。

なんか、
「じじばばというものは田舎に住んでいて山に柴刈りにいったり川に洗濯にいったりイナゴを食ったりしてる」
という根拠のない思い込みがあって、「イナゴを食べた」という証言を否定してしまったのでしょう。

虫といえば、高校の家庭科の時間、
「食品添加物はよくない」という文脈のもとで、
コチニール色素の原料を見せられたことがあって。
まあ、潰された虫が脱脂綿の上で死んでいて、赤い汁が脱脂綿に染み込んでるというものでした。
「ほら、赤い色はこんな虫からできてます。これが食べ物に使われてます。気を付けましょう」
やっぱりそのとき、
「イナゴとか、食べるんだし。べつに虫が食品に使われてたっていいような気がするんだけどなあ」
と内心考えたのをおもいだしました。

イナゴつながりで気になったので調べたらやっぱり、コチニール色素は安定してきれいな色が出るし、安全性も確かめられてるすぐれた色素だそうで。
食品添加物の悪さをいうに、「虫だから気持ち悪い」っていう理由はいけませんねえ。
昆虫食や、それを習慣とする人に失礼ですね。

あと、食品添加物って、発ガン性とか、かなりきっちり調べられるらしいので。
むしろなんも調査をしないで、ふつーに食べてる伝統的な食材のほうが発ガン性はわかってない。そうです。
食品添加物と食品、どっちが危険かっていうと、「食品添加物です」とはとてもいえない。
「食品添加物危険説」も、けっこう偏ったものの見方であることですが、公立高校で教えられてたってことです。

昆虫食については、『昆虫食先進国ニッポン』
(野中健一・亜紀書房・2008)が楽しいよみものです。
「虫なんか気持ち悪い」っていう人が私のまわりには多いですけど。
イナゴをつくだ煮にするためにわざわざ輸入している業者があって、おいしい商品として虫が出荷されてる、ということがわかってとてもおもしろいです。あと、昆虫がすごくおいしそうにかかれているのも魅力です。蜂の子とか、たべてみたい。

この、「じじばばいつもイナゴ食ってる説」や「食品添加物危険説」みたいなトンデモ説が学校で先生の口からたれながされることはよくあって、あとから「うそだ」って思うからいいけど、先生のいうことだから、って鵜呑みにしちゃうこともあるわけで。というか、たまたま本を読んだりして「あ、うそだった」って気付くわけで。
まだまだ、気付かない先生伝授の嘘を、私は信じてるかもしれないなあ、と。怖いです。

とりあえず、今のところ発覚してる先生由来のトンデモ説のなかで、一番ひどいのを紹介します。

同性愛者は胎児のときに母親がストレスを感じ、ホルモンのバランスがくずれた結果発生する。第二次世界大戦後のドイツに同性愛者が多いのはそのためである。
(保健体育より)

ひどいですね。
自分で書いていてむかむかするほどひどいです。
こんな根も葉もないたわごとを、小学生の1クラスにむかって言っていたなんて。

で、ものすごいオチがあります。

ある本を引用します。

Satz(1972,1973)やSatz,Orsini,Saslow and Henry(1985)の論文に記載された理論は、(略)遺伝的には左脳が順調に発達して言語機能と右手の細微な運動のコントロールをするはずが、母親のストレスなどが理由でなる脳内栄養不良から脳組織に損傷が生じ、そのために本来はさのうにプログラムされていた役割は右脳の対象部位に移行する形で発達する。
(『左ききの神経心理学』「第3章きき手誕生のメカニズム」55P 八田武志・医歯薬出版株式会社・1996)


強調は引用者によるものです。
左手ききが「誕生」する理由が、「母親のストレス」という説があるそーですよと紹介してるわけです。この本のこの箇所を読んだとたん、「あっ!」とおもいました。
先の先生の言葉を思い出しまして。
同性愛者と左手利きはともに、「母親のストレス」から発生するのですね。
しかもこの本、ちゃんと「左利きとホモセクシャル」(同文献pp.72-73)っていう節がもうけてあります。引用します。

Geschwind and Galaburda(1985)の左ききに関する性ホルモン成因理論は、ホモセクシャルと左ききとの関係に1つの仮説をもたらすことになる。彼らの理論の中では、性ホルモンが主要な役割を果たすのであるが、(略)ホモセクシャルが男性ホルモンが十分でないことから生じるという考え方からは、ホモセクシャルの中に左ききの多いことが予測できることになる。


えーとねえ。
左ききに性ホルモンが関わってるかどうかしらべるまえに、
「左ききっておかしいんじゃない?病気だよね。原因なんだろ。あ、もしかしてホモセクシャルっていう病気と関係あったりするかな?」
っていう。
自分と違う人を病気扱いして、しかも一まとめにして片づけちゃおうっていう。ひどい乱暴ですね。
そもそも、そんな仮説をたてることじたい、ホモセクシャルと左きき、両方の人たちへのひどい偏見と、差別です。

だいたい、右ききと、ヘテロセクシャルが「ノーマル」だって誰がきめたんですか。それは科学的に証明されてるんですか?
ただたんに、「数が多い」ってだけでしょ。
そういう研究したいんだったら、そこからいわないとだめだし、いえないでしょうね。そんなの。

「数が少ない特別(=変)な人」を同じくくくりにまとめようとするってのが、どうしてもやっぱり、気持ち悪いです。
「自分と違う変な人は、少ない(同じカテゴリにひとくくりにできる)方がいいなあ」ってことでしょうね。

だから、「左ききに天才が多い」とかいうのも、面と向かって言われるとなんかいやな気分になります。
どうにかして「特別な人を」一まとめに一つの箱に放り込みたい、って、それはやっぱり差別でしょう。

posted by なかのまき at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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