2010年03月30日

先生がどなる?

私の所属してた大学院は、授業のはじまるまえに「起立礼」をします。

すごくきもちわるいですね。

そとの大学の人にはなすと、けっこう気持ち悪がられます。
よその大学からきてる先生も、ぎょっとするらしくて
「(きもちわるいから)やめてください」
っていっても、
「これが伝統ですから」
って、先生が嫌がっても大学院生が起立礼するらしいです。

で、外の人もだいぶ気持ち悪いだろうけど、うちがわにいる私も気持ち悪くて、同期の人と

「ありえないよねー」
ってよく話をしてました。
で、あるとき
「だってさ、起立礼なんて小中学生じゃない。高校だって、もう起立礼なんかしないのに、大学生でするなんてさー」
っていったら。
「……え? 高校で起立礼しないの?」
「え? 高校ではしないでしょ? こどもじゃないんだから」
みたいなかんじになって。

私がかよってた高校は、授業の始まりと終わりに起立礼をしないところだったんです。
在学中、起立礼をしたのは、入学式と卒業式くらいで。
わたしは、それがふつうのことで、
「高校生になったら起立礼なんかしない」
っておもいこんでいたんですが、そうでもなかったらしい。
というか、起立礼しないうちの高校が特殊だったって、しらなかったです。
で、高校時代の友達とあって、
「しってる? 高校で授業の始めと終わりに起立礼する学校があるらしいよ?」
っていったら
「へーっ」
っておどろいてました。


で、高校生で先生がどなる、ってのもはじめて知って、わりと、衝撃でした。
私の高校では、先生はどならないので。

どならないっても、治安がいいとか、進学校だから、とかじゃなくて。なんだろうな。校風。だったんだとおもいます。
というか、今思えば。校風だったんだ。
あのころは、自分の高校しかしらないから、
「もう高校生になったら大声出してどなってもいうこときかないからだろうな。だから高校の先生って、どならないんだ」
って、勝手に自分の体験を一般化してました。昨日まで。

えーと、私の高校は、神奈川の公立高校で、

たぶん、学力はものすごく真ん中くらい。
大学と短大と専門あわせて進学率50%。
四大にいくひとは、だいたい大東亜帝国。とくに、土地柄、帝にすごくたくさん入学してました。そんな高校です。
といっても、私は東京と神奈川と山梨の境のあたりにすんでいて、
あのへんは私立高校がたくさんあって。
ちょっとこどもの教育に金を出してもいいよ、っていう家庭では、わりとみんな私立にいってました。
学区のトップ校も、地元ではそれなりですが、それよりやっぱり、東京の私立進学校に行く方がステータス。
そんな土地でした。
なので、きほん、公立は評判よくなかったです。

生徒もそんなによくはなかった。
なんで先生はわるい生徒をどならなかったのかな、と考えると。
めんどうくさかったんじゃないかな。おたがいに。
起立礼も、めんどうくさかったからやらなかったんでしょう。
すわってるのに立ちたくないよ。すぐすわるのに。
先生だって、「起立」っていって立たない生徒がいたら注意しなきゃいけなくてめんどうくさいでしょ。「起立」っていわなければ、立たない生徒を注意しないで、さっさと授業にはいれますし。

っていったら、高校で非常勤やってた同期に、
「えー、じゃあ、授業はじめるときどうするの? 起立礼することで休み時間と授業との切り替えができるんだよ? 起立礼しない学校なんて、先生がかわいそうだよ!」
とかわけのわからないことをいわれて。
いや、そんな、あなたに「先生がかわいそう」なんていわれるほど先生はかわいそうじゃなかったとおもうよ。
ふつうに教室にはいってきて
「こんにちは。はい、じゃあえーと、前回どこまでいったっけ?」
ではじまってましたけど。

なんでどならなかったのかな。とおもうと。
あのね、授業中にね、国語の先生がいきなりいったんです。
「このあいだ歯科検診あったでしょ。そのとき、お医者さんとボク、しゃべったんだけどね。『生徒さんの口の中、ヤニで真っ黒! みんなタバコすってますね』っていわれちゃったよー」
「……」
生徒無反応。
授業なにごともなく再開。

という。あの。

みてみぬふり。

という。テクニックを、先生が身につけていたからですね。
べつにだれも叱られない。
そういう高校でした。

私も一回、高校で問題おこしたことがあるんですけど。

なんか、始業式に校長のつまらない話を10分もきかされて、腹が立って、みんなで、
「よし、今日からこの石油ストーブを校長と呼ぼう」
って決めて。
毎日「寒いから校長に灯油そそいで火つけてあったまろうぜ」
とか言ってたんです。
で、それはぜんぜん問題じゃないんです。うん。ぜんぜん問題じゃないでしょ。

で、ある日、校長という名前の石油ストーブに、
「校長、アメ食べる?」
って、アメを。燃えている石油ストーブに投下。
異臭騒ぎ。

先生が何人も駆けつけてきて、
「なんか臭うぞ! おまえたち、何をやってる!」
で、
「ひー! 校長が臭うー!」
って、大爆笑。という。
どうしょうもない高校生ですね。

これ、他の高校だったら説教、親呼び出し、とかあってもおかしくないですよね。
あぶないし。ストーブを校長とか言ってるし。

なんか、で、その事件は、
その後一週間、私たちのグループは全員「アメ」と呼ばれて。
「おい。アメ!」
「はい」
みたいな。
それで終わりました。

ほんとうに、なんにも叱られなかったんですよね。
わたしは、すごく居心地がよかったんですけど。

先生といちゃいちゃしたい人たちは、なんかものたりなかったみたいです。
「うちの学校の先生って、生徒を放っておいてつめたかったよね」
みたいな不満を、卒業後にきかされたことがあります。

叱られると、それで「愛情がある」って錯覚する生徒もいるみたい。
そういう人にとっては、叱られないとものたりないんです。
わざとやんちゃをしては親のかおをうかがってみるこどもみたいな。
なんか、そういう面もあるときには、あるんじゃないですかね。

じつは、私の親も中学の教員なのですが、終業式の日に、生徒が書いた色紙をもってきて、それをこっそり見たことがあるのですけど。
「先生にいきなりなぐられたときはビックリしたけど、わすれません」ってかいてあって、
「うわ、この人、生徒なぐったのか。かんべんしてよ」
って、私はいやな気持ちになったけど。生徒は色紙にわざわざ書くってことは、嬉しかったんでしょうね。

叱られる、どなられる、なぐられる、っていうことで、
自分がここにいる、だれかの注目をあびている、っていう。
よろこびを感じるこどもも、どこかにいて。
だれからも無視されて、無関心で、どこにもいない人間みたいにあつかわれてるとき。
わざとやんちゃをして、先生の気をひいて、どなられたり、なぐられたりしてるとき、「ああ、じぶん、いま、いきてる」って、
そういうことをするひとも、いるんじゃないかな。

と、おもいました。
「叱られたい、どなられたい、なぐられたい」
っていう、願望をもつ人もいて。
でも、だからしかったりどなったりなぐったりしてもいいってわけじゃなくて、
それは「かまってほしい。私をみてほしい。だれか私にきづいてほしい」っていう、きもちの、あらわれであったりもするのかな。
と、かんがえました。


私たちがストーブにアメをいれたのは、ただたんに面白かっただけですけど。
posted by なかのまき at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/36754186
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック