2010年06月13日

後輩をいじめた土曜日。反省している

どようびに、大学にいって、そのあと、
書道と国語の先生をやってる後輩とお茶して、

これはいいと後輩つかまえて、書道教育のことをきいてみたです。
というかもう、ほぼ尋問。

「なんで書道科は横書きのことをかんがえてないの?」
「字は、縦書き用に開発されたんですよ! それをむりやり横でかいてるんです。そこがおかしいんです」
「じゃあ、横書きを廃止しろって、そういうこと?」
「そうじゃないです、横書きをするのは仕方がないけど、横書き用の字を開発するなんてできるわけないじゃないですか! 横書きにしたときも、縦書きとして美しい文字をかいていればそれでいいんです」
「縦書きとして”美しい”のがどうして横書きにしても”美しい”っていえるの? それと、縦書きの書き方で横書きでかいたら、それは(書道的に)”美しい”かもしれないけど、書きにくいじゃない。書きやすさはどうでもいいの? 美しさがもんだいなの? じゃあ書道って芸術なの? 国語科にあるのに?」

「なんで横書きのことをなんもかんがえてくれないの?」
「字は縦書きで書かれていたという由緒と伝統があったから〜」
「でも今現在横書きの方がおおいじゃない、なんで横書きのことを考えないの?」
「だから、字が縦書きで書かれていた(略)

平行線

「筆順はどうなの? 横書きしたときかえって書きにくいし、左手利きにも筆順まもれっていうの?」
「そりゃ、学習指導要領にまもれって書いてあるし、筆順指導の手引きが出て、それを守るようにと上に言われてるんだから、言わないわけにはいかないでしょ」
「左手利きの人にもそれいうの? ひどくない?」
「だって学習指導要領にかいてあるし、えらい人に言われてるんだから私だって心が痛むけど、しかたがないじゃないですか、上が言ってるんだから。私に言われてもこまります。上にいってください」
「左手利きの人が今現在、辛い思いしてるのに、上に言われたことは押しつけるの? なんで筆順ってまもらなきゃいけないの?」

平行線

「左手利きの人が毛筆書道やらなきゃいけないのっておかしくない?」
「私は左手ききの人には、右手で筆を持つようにっていうおしつけはしません!「右手と左手両方で書いてみて、書きやすい方選んでイイよ」っていってます!」
「選ばせてアゲル、なんていって、なんでそうやって生徒の自己責任にするの?」

あのね、のっぴきならない状況に追い込んでおいてね、そんで、
「えらばせてあげるよ、キミが自分で決めたことなんだろ?」
そういう「自主的」な「選択」ってね、ふつう、

強制

っていうんだよ?
憶えておこうね?

たとえばの話ですよ、ファンタジーの世界です。
訛ってるとバカにされる、いじめられる、国語の成績に影響する、就職にもさわりがある、
っていう状況があって、そこで、先生が生徒にむかって口先だけ、
「キミは方言と標準語、使いやすい方を選んでいいんだよ」
って言って、生徒が「標準語つかいます」っていったとき。
それは
「生徒自身が選択したことだから」
ってそれはねー。
あーあ……

いえ、その後輩は責任逃れをしてるとかじゃなくて、ある程度善意のカタマリなんですよ。
「左手利きの人に右手書道をおしつけるのは心苦しいから選ばせてアゲル」なんてね、そりゃ、「左で字をかくなんか親のしつけがなってない」なんていう書道のせんせいより、よっぽど「理解ある」先生と言わなきゃいけない、のかもしれない。

でもね。私、たとえば、私の教えてる学生さんにね、
「先生は日本語に対する考えが浅いと思います」
とかコメントペーパーに書かれてもね(←実話)
「うはは〜。こんなことかかれちゃったよー、ぷー。」
って。
ぜんぜん傷付かないのに。
後輩が善意のカタマリで、
「私は左手利きの生徒さんに、筆を持たせて右手と左手両方かいてもらって、書きやすい方を選んでもらってます」
って、そうゆうこと、いってるの聞くとね。
すごく傷付くんです。
「このひとはなんでこんなひどいこと、いうんだろう」
って。
あきらかに、私を傷付けようという悪意があるのは前者なのに。
そしてこの私の傷付きポイントがあんまり他人に共感してもらえない。


このあとも不愉快で不毛な議論が。
えんえんとつづく。

「画数をまちがえて書かれた字は、いくら読めたって、字じゃない、記号です」
「だって左手でかくとあの画数を忠実にまもるの、無理だよ。 え? あなたは私の字を字とみとめないの? ふーん。まあいいや。あなたに字じゃないっていわれたって、べつにいいよ。字じゃなくていいや。あなたに字じゃないっていわれたって、ぜんぜんかまわない」


「やっぱり、日本人なら文化として、書道に触れておいたほうがいいんです」
「いま、学校には日本人いがいもたくさんいるよね」
「日本に住んでるなら日本人の文化をしってなきゃいけないんです!」




……で、この(双方にとって)不愉快な議論のあげく。私は終電をのがしました。

うん。で、私、あの。
あるていど、書道の先生に甘い期待をしてたんです。

あっちがわから、『横書きのこと無視してちゃダメじゃね?』『左手書字者にひどいことしてない、私ら』みたいな声があがってこないのかなあ。って。だって、自分のメシのタネですよ?
ちゃんとそのへんどうにかしておかないと、あとあと大変なことになるでしょ。
って。

でも、
ああ。むりだわ。これ。

あいや、そういうこと個人的には、ちゃんと考えて、実際にてあてをしてる現場の先生もたくさんたくさん、いるとおもうんですけどね。
書道の先生が、全体として、「これは書道教育業界の課題だ」みたいな方向で考える意識は、ないんだな。と。

posted by なかのまき at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 書道教育
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