2010年11月29日

すべてはあなたのために。ガイジンのために。りゅーがくせいのために。

こんにちは!
きょおも ふゆかいな ぶんけんお しょおかい するよー

独立行政法人日本学生支援機構という政策機関が発行した
どすぐろいガイドブック

『外国人留学生のための 就活ガイド 2012』

独立行政法人日本学生支援機構のサイトからダウンロードできるのでみてみてね。

「外国人留学生のための」とかかいてあるくせに本文にルビがいっさいふってない時点で、だれのためのガイドブックでもないことがよくわかります。

さて。そこの39ページに
「履歴書の書き方」
といいうのがあります。

しょっぱなから


履歴書は、正式な応募書類の一つ。指定がない限り手書きが基本です。読みやすい文字でていねいに記入しましょう。(p.39)


と正気をうたがうようなことがかいてあります。
また、

年は、日本の年号を記入するようにします。
数字は、算用数字で記入します。(p.39)


は?
これのどこが「外国人留学生の”ため”の 就活ガイド」?
どうかんがえたって、
「日本企業のための外国人留学生就活ガイド」じゃないですか。
日本語は正しくつかおうよ。

さて。これに輪をかけてひどいのが、

凡人社刊の『これで安心! 外国人留学生のための日本就職オールガイド』(2009)
1900円。たかっ。大学の就職課に置かれることを前提につくられた本なんだろうけど。
個人じゃかわないよね。

です。これ、ひとつだけ評価すると、ちゃんとルビがついてる。ほめるところじゃないけど。
あたりまえのこと。
学生支援機構のガイドブックがどうかしてるってだけだけど。


第9章 履歴書
履歴書の書き方・基本ポイント

履歴書は指定がない限り手書きが基本。文字を見て几帳面さや熱意を見る会社もある。
字は、上手ではなくてもマナーを守って丁寧に書こう。(p.102)


あーあ。
「文字を見て几帳面さや熱意を見る会社もある」なら、ほんきで「留学生のため」を思うなら
「字はなるべく乱暴に汚くかいて、筆跡診断を人事採用につかうようなあぶない会社からまちがって内定をもらわないようにしましょう」じゃないかな。
そして次がすごい。


第10章 会社説明会

聞いてイメージを悪くするマイナス質問

◎給料・残業代・賞与の金額や休みに関すること
給与や賞与は、調べれば分かるので、説明会の場で質問する必要はない。お金に関する質問はあまり印象がよくない。休みは権利だが、「入社する前から休むことを考えている?」と思われ、マイナスイメージだ。

◎残業はあるか
仕事は責任を持って臨むことが常識だ。納期・締め切りに間に合わなかった場合、残業をすることもあるだろう。残業にこだわると、仕事への責任感のなさが伝わってしまう。

◎母国へ帰国したい意志を伝える
「○年度に母国へ帰国したいのですが、御社の海外拠点へ出向させてくれますか?その際、条件は日本人と同様ですか」
自分の都合を一番に考えている学生を欲しいと企業は思わない。特に企業が留学生を採用する際の不安な点は「すぐに帰国してしまわないか」だ。あくまでも企業側の希望を一番に考える姿勢で臨むことが大切だ。

◎ホームページや会社案内、配付資料などに記入されていること
質問した内容が「○○を見ればかいてあるのに…」「さっき説明したのに…」と思うことだと印象が悪くなる。事前に企業のことをよく調べて頭に入れておこう。(p.120)


えーと。なにこれ。
これが本気で「留学生のための日本就職オールガイド」という本なの?
書名まちがってるよ。

「留学生を採用する日本企業と就職率をあげたい大学就職課責任者のための留学生奴隷化オールガイド」でしょう。
誤植がひどいですよ。

ただ、この本、出版されていいな、とおもうことがひとつだけあります。
ぜひ、この本は日本語学科がある大学や、その近隣の高校の図書館に、土地の言語等で翻訳したのをおくべきです。
ぜったいに、置くべきです。

それでね。将来を担うわかい大学生や高校生にね、「あ、日本語を専攻するのやめよう」って、正しい選択をしてもらうために。
とても意義のある一冊です。

日本に留学してからじゃ遅いんです!ぜひ大学、いや高校生のうちに!
posted by なかのまき at 22:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
発刊前すでに版元社長を激怒させた(というか、たかだか1論文で媒体全体を全否定する発言にまで「おいこんだ」?)いわくつきの書評(w)は、おてもとにとどているとおもいますが、例の新刊をおおくりしたいので、おくりさきをおしえてください。
研究所へは寄贈しなくてもいいですよね。編者の先生が、おくるでしょうし。
Posted by ましこ at 2010年12月01日 12:03
で、本文ですが、留学生に対しては、ドレイ化マニュアルと、いいきっていいとして、日本人学生のばあいは、どうかっていうと、ビミョーですね。
不況時の人気企業などは、超強気な姿勢で、「就活」周辺ではハラスメントが横行していますよね。
膨大な志願者をさばかねばならないオジサンたちにも 同情はしますけど、吸血鬼よろしく、自身のハラスメント被害体験を、強者=加害者として反復している自覚がない。競争社会でいきのこる合理的戦術などとして正当化されて、「社畜」として カタに ハメていく過程を、選抜・教育だと信じて、ハラスメントだという認識がふきとんでしまう。
そうなると、大学の就職対策はもちろん、「就活」中の学生たちは、当然、うえにかかれたような、「企業文化」を「甘受」するように、自衛するほかなくなるわけです。
Posted by ましこ at 2010年12月01日 12:13
ましこさん

新刊ありがとうございます。メールしました。

>日本人学生のばあいは、どうかっていうと、ビミョーですね。

そういう就職活動の現場の話をはじめてしまうと、留学生であっても、日本にのこりたい人はやはり、日本人学生と同じように「企業文化」を「甘受」するほかないのではないかとおもいます。
じっさいにやっていた私の友達もいます。

就活してる身にとっては、現実としてはそうするしかないよな、ってのはじゅうじゅう承知なしているし、だから「奴隷のまねごとをするな、ばか」なんて就活中の学生さんには口がさけてもいえません。

それでも、やっぱり、そういう事情はそれとして、「どんな事情であれ、それって奴隷だよね」って、いっておいたほうがいいんだよな。とおもいます。

あと、大学の就職課が現状追認型の就職対策をするのは百歩譲ってしかたのないこととしても、企業の就活関係の横行にたいして大学がやらなければいけないことはほかにもっとあるだろう。と強く感じます。
Posted by なかのまき at 2010年12月02日 22:23
とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
Posted by 履歴書の書き方の見本 at 2010年12月13日 15:31
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